Vendee Globe スタートから58日目、スキッパー達はXmasに続き、船の上で年を越した。
ファンに勇気を与え続けている、スキッパー達にもサンタが来たようだ。
隻腕セーラーのダミアンには、2頭のクジラが船と5分ほど伴走してXmasショーを披露してくれたそうだ。
南氷洋と言うステージで、自然との深い調和を体験出来るのは、VG以外にはない!と興奮気味に語っている。
■2度訪れたHappy new year
私たちが年末年始の風物詩を楽しんでいる中、洋上の白石康次郎は、誰も経験した事のない1年に2度の年越しを経験していた。
大晦日に走っていた海域が日付変更線手前で、タイミングよくローカルタイムで世界で一番早く年を越した。しかし、日付変更線を越えた為、二度目の大晦日に。
日本人らしく、船内で年越しそばと、お汁粉を頂いたそうだが、流石に1食のみだったようだ。
そんな白石は、「光の一年」にしたいと抱負を述べている。VGで完走して、日本に元気を届ける為には自分自身が、太陽の様に光輝いて元気で過ごす事が必要だと感じているからだ。
太陽よりも熱い情熱で、このまま走り抜けて完走を目指す。
■猫の手も借りたいスキッパー達
仕事納めに、大掃除、新年の支度と年越しは何かと忙しいが、スキッパー達は年末年始も同じだ。
現在11位で走るジャンカルロは、軽油タンクの亀裂が見つかった12/22に大掃除をする羽目になってしまった。
亀裂を発見した時には既に10ℓほどエンジンboxにオイルが漏れ出していた。貴重な燃料を無駄にする事はできない為、オイルを別容器に移して、亀裂部分をシリコンで穴埋め修理して、再びオイルを戻した。
ドイツ人スキッパーのボリスは、12/26に「風が安定していないが、波もなく修理日和だけど、修理箇所がないから片付けをしよう」と日頃から整理整頓を心掛けているのが分かるコメントをしている。
常に整理整頓をしていれば、何かトラブルがあっても慌てる事なく対処できるので、スキッパーにとっては大事な仕事なのだが、面白いことに、セーリング後の船内状況で、スキッパーの性格や、どれだけ船を大切にしたかが分かるそうだ。スキッパーをサポートするクルー達は、仲間内での会話で「あそこの船は汚い。俺たちの船は綺麗だ!」などとセーリング後の船内の散らかり具合を話すのだが、「Kojiroの船は出航前よりも綺麗になっている」と驚いているそうだ。
■湿気との闘い
風だけで走るレースだが、レースのカギを握っているのはセーリングコンピューターだ。
燃料や水中発電機とも相談が必要だが、定期的にエンジンをかけて船内を温める必要がある。
360°海に囲まれている船内は湿気が凄く、この湿気がコンピューターにいたずらをしてしまう。
もちろん各精密機器は防水性能が備わっており、湿気対策をしてはいるが、24時間絶え間なく揺れ動く船内では、精密機器のビスも緩んだり、つなぎ目があらわになる事もある。
その為、定期的にエンジンをかけて船内を暖気して、少しでも湿気からコンピューターを守る必要があるのだ。
12/16からTopの座を譲らないヤニックも、晴れた日には船の中を換気して乾燥を心掛けているとコメントを残している。