MESSAGE

海に出ると、地球を包み、動かす、大いなる意思を身近に感じます。この大いなる存在が私にとっての天です。

天の理を感じ取り、与えられた天命をまっとうし、地球と自分が少しでも一体となること、それが私の理想です。この理想に近づくための指針が、「水のごとくあれ」です。

水のごとくあるとは、すなわち、泰然と、しなやかに、困難に向かっては強さと勢いを秘め、寛容で、人を益する、そんな水のような自分でありたいという思いを込めた言葉です。

今回、私は30年来の夢であった世界一周単独無寄港無補給ヨットレース「Vendee Globe」へ、アジア人として初めて参加することができました。
本来の目標は初参戦・初完走でしたが、残念ながらリタイアする結果になりました。
当初は起こった出来事を受け入れがたく、悔しさいっぱいになりましたがそれを受け止めて、乗り越え、再チャレンジをすることを決めました。

その瞬間から私は『敗者』から『挑戦者』に変わりました。
この体験を子供たちと共有することで、彼らに居心地のいい今の自分の殻を破って、1歩踏み出す勇気を持ってもらえればうれしい限りです。

感謝

白石康次郎