この度、白石康次郎(DMG MORI SAILING TEAMスキッパー/プロセーラー)は2020年11月8日からスタートする単独無寄港無補給世界一周ヨットレース“Vendee Globe(ヴァンデ・グローブ)”において、レース中に海洋中のマイクロプラスチック採集活動を実施する事になりましたので、お知らせ致します。
◆実施目的
近年世界的な課題としてあげられるマイクロプラスチック問題について、ヨットレースを中心に世界中の海を舞台に活動してきた私が、地球環境に何か力になれる事がないかと常々考えていました。
その中で、私が出場するヨットレースの航行海域は、海洋調査船や本船航行も少ない南氷洋を走るため、研究が行き届いていない海域でのサンプル採集で貢献ができるのではないかと思い、本活動を実施する事にしました。
また、マイクロプラスチックの採集や分析等については、知識も経験もないため、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下、JAMSTEC)に協力頂き、本活動を実施いたします。
◆海洋プラスチック採取方法
・レース中に飲料水を確保するためにヨットへ搭載された浄水装置内(海水を真水に変える機器)に、フィルターを設置しマイクロプラスチックを採集する。
・フィルターは、300μmプランクトンネットを使用。
・フィルターは、浄水装置の海水流入口に設置され、マイクロプラスチックの採集を行う。
・フィルターの交換頻度は、浄水量により変動するが、おおむね7~10日程度で新品のフィルターに交換をし、使用済フィルターはパッキングし、採集期間とその期間に航行したルート情報等を加えて分析までの間、保管する。
◆調査研究方法
・レース終了後、採集したサンプルをJAMSTECへと分析依頼し、調査研究をして頂く。
・調査研究内容は、結果が出次第、白石康次郎のWeb Siteやイベント出演などを通して発表を予定。
・JAMSTECのHPでも分析結果等を掲載予定。
◆世界一周ヨットレース“Vendee Globe”
4年に一度、フランスにて開催される単独無寄港無補給の世界一周ヨットレース。
白石康次郎は、2016年大会に続き、DMG MORI SAILING TEAMのスキッパーとして2度目の出場。
レースコースは、フランス西部の“Les Sables d’Olonne”を出航し、大西洋を南下。喜望峰を抜け、オーストラリアのルーイン岬、南米大陸のホーン岬と南極大陸の間にあるドレーク海峡を抜け、再び大西洋に入り北上、“Les Sables d’Olonne”に戻る。レース中、どこの港にも立ち寄る事が許されず、通信以外の外部援助は禁止され、トラブルが起きても一人で対処しなければならない。
およそ21,638海里(約40,075km)もの距離を風力のみで70~80日間かけて航海する。
◆参考
・単独無寄港無補給世界一周ヨットレース“Vendee Globe”
https://www.vendeeglobe.org/fr
・レースコース
https://www.youtube.com/watch?v=iD5ZHZz_H-k
◆お問い合わせ
・本件についてのお問い合わせは、CONTACTページよりメールにてお問合せください。
・分析についてのお問い合わせは、JAMSTEC広報課(press@jamstec.go.jp)までお願いいたします。
Photo:海水を真水に変える浄水装置に取り付けられた、マイクロプラスチック採集フィルター