出航早々に電源を失った白石とジルは過酷な状況に置かれていた。
オートパイロットが使えない為、ニューポートまでの残り10日間以上を24時間交代で舵を握らなければいけない状況だった。
白石は、予選レースのスタートに間に合わなくなる可能性もあったが、一旦近くの島に入港し発電機器を修理して、再びアメリカに向かう事を考えていた。予選レースに出場できないと、Vendee Globe出場も厳しくなるが、当時52歳のジルにあまり過酷な航海をさせてはいけないと思い、ジルに相談すると「kojiro、我々は電源を失っただけだ!」と力強い言葉が返ってきました。
それを聞いた白石は、「よし、行こう!」と、覚悟が決まりました。
それから10日間以上、1時間交代で舵を握り続け、2016年5月20日現地時間24時、ニューポートへと無事に到着しました。