2016.11.29

NEWS / BOAT LOG

Spirit of yukoh boat log #24

November 29th, Update @UTC 17:00
Position: 12th
Temperature: 23℃
http://tracking2016.vendeeglobe.org/hp5ip0/

昨日は朝からハードな一日だった。
朝、海の状態が良いのでマストに登ることを決断する。
壊れた垂直のウインドセンサーを交換するためだ。
まず、クルーにマストに上がる旨を電話連絡、レース委員会に報告してもらう。
マストトップでトラブルがあったときのためだ。
委員会からは衛星携帯電話を持って言って欲しいとのこと。
イマージェンシーBOXよりイリジウムを出す。
マストに上がるのはさほど難しくないが、大きなウインドセンサーには風見や繊細な風速計がついている。
これを壊さずにマストトップまで運ぶのが大変難しいのだ。
道具をそろえて、バックにいれ、ウインドセンサーを身体に巻きつける。
走りながらマストに上がるコツは、「間」である。タイミングだ。
船が大きく揺れているときは、無理して上がらず、マストにしがみ付き落ちつくのを待つ。
無理して上がると身体が飛ばされセンサーを壊してしまう。

無事28mのマストトップ到着。
マストトップに着いたら、まずビレーを取り、マストに身体をゆれないように固定する。
ウインドセンサーのコードを外す。
VHFアンテナとの間の固定棒から離脱。
ウインドセンサーのねじを外す。
そして本体を外す。
これから新しいセンサーを差し込む。
シカフレックスを塗りボルトで固定。
アンテナの固定棒を取り付け。
センサーのコードを取り付ける。
テープを巻き補強。
これでやっと完成だ。

後は点検。
水平ウインドセンサーのネジが緩んでいたので増し締めする。
後は大丈夫のようである。
尊重に降りる。
約1時間10分で終わった。
もっと時間がかかると思っていたが、よかった。
いいタイミングで上れたと思う。
これからサザンオーシャンである。
ウインドセンサーは船の「目」だ。
これで2つのセンサーが戻った。

デッキに戻るとクルーに無事戻ってきたことを報告。

すぐにヴァンデライブの生中継だ。
翔大に通訳してもらい、うまく話せたと思う。
1時間後には英語版だったが、風が変わったので、J1からブラストリーチャーに変更。
英語版は遠慮させてもらった。

J1を下ろしブラストリーチャーをあげる。
ところが、マストでロックしないのである!
前からフラクショナルは掛かりが悪かった。
しかし、原因がつかめないままスタートになったのだ。
結局30分何度もトライしたがかからず、一度セールを下ろすことにする。
こちらも100キロ近いセールを上げたのにまた下ろすのは辛いが仕方なかった。
フックをチェックしたが、異常は見あたらなかった。
また、セールを上げなおす。
今度は双眼鏡でマストを確認。
ハリヤードのマーキングよりかなり手前でフックがソケット入っている。
結局マーキングの手前8cmでフックにかかった。
このセールをあげるのに1時間は費やした。
まだまだ、ここからが大変。
重たいJ1をバックに入れて船の後ろで運ぶ。
100キロ近いセールをでこぼこのデッキの上を運ぶのは疲れる。
やっとの思いで後ろのコックピットに固定

周りを見ると、ファブリスと、コンラッドがすぐ近くにいる。
思い切ってVHFで呼びかけてみる。
なんと、ファブリスが応えてくれた。
ひと時、ファブリスと楽しい会話をした。
すぐにコンラッドも参加。
前に僕とすれ違っときにドローンを飛ばして撮影してくれたらしい。
僕もいい写真を撮ったよと、報告する。
帰ってから見せてもらおう。

今度は、気になっていたキールBOXの水漏れを直す。
シカフレックスで隙間に薄く塗りこむ。その上からテープで押さえる。

外にあるB&Gのディスプレーが取れかかっているので、そちらもシカで固定した。
また、明日から風が強くなると予想されるので、今のうちにJ3をあげる。

さらに今度は、使っていないほうのラダーがキックアップ。
この間2重のヒューズを付けたのになぜだ!
ラダーを下ろし、またヒューズを2重にして固定。
ヒューズは残り2本。

ここまでで1700を過ぎ、今記事を書いている。
これから、今日撮ったビデオを編集変換して、衛星で送る。
また今日の夜中2時ごろ、横浜の子供たちと冒険授業だ。
こちらは真っ暗だけどうまくいくかな?

今日は、作業内容の多い一日だった。
これから少し眠れるといいのだが。

がんばるぞ!

康次郎

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